
短い答え
DeepNudeはに公開された1本のパソコン用ソフトで、4日後に作者自身が取り下げました。以後、新しい版も、権利者のサイトも、保守する人もいません。いま「そのソフト」を探している人が探しているものは、もう存在しません。名前のほうは残り、元のプロジェクトと無関係なサービスの検索語として使われています。
いま何が出てくるのかはいま出てくるサービスの一覧、その中で動いている仕組みはDeepNude AIと名乗るサービスの中身にあります。
4日間の記録
公開から取り下げまで
経緯は5つの段階に収まり、すべて同じ週に起きました。
6月23日、公開
サイトと、WindowsおよびLinux用のダウンロードとして現れました。普通のアプリと同じように入れて動かす形で、技術的な知識は要りませんでした。
2つの版、1つの透かし
無償版は結果に透かしを入れ、50ドルの有償版はそれを左上の「FAKE」の刻印に替えました。刻印は切り取りや画像編集ソフトで簡単に消せるものでした。
6月26日、報道
記事が出た日にアクセスが作者の見積もりを大きく超え、サーバーが落ちました。月に数件の販売を想定して作られたものに、注文が殺到しました。
6月27日、取り下げ
報道の翌日、プロジェクトの告知で停止が発表されました。理由は、悪用される可能性が高すぎるというもので、最後の一文は「世界はまだDeepNudeの準備ができていない」でした。
残った複製
作者自身、複製は必ず出回ると述べたうえで、自分がそれを売る側にはならないとしました。その後、公開の保管場所にあった複製は利用規約違反として削除されていきます。
出典は当時の報道です。最初に動作を確かめたMotherboardの記事(2019年6月26日)、取り下げと作者の声明を伝えた記事、そして複製が置かれていたリポジトリが規約違反で無効化されたことを伝えた記事。3本ともの公開で、いまも全文が読めます。
ディープフェイクという語の下で
そのソフトが実際にしていたこと
服の下を見ていたわけではありません。推測していたのであり、結果の性質はすべてその推測の仕方から来ています。
エンジンはpix2pixの上に作られていました。カリフォルニア大学バークレー校の研究者が2017年に公開した、敵対的生成ネットワークを使うオープンソースの手法です。モデルは1万枚を超える女性のヌード写真で学習し、ある画像を別の画像へ対応づけることを覚えました。出てくるのは元の写真に隠れていた層ではなく、何千という学習例から組み立てられた新しい画素です。開示ではなく統計です。
学習データの出どころから、よく誤解される制限も生まれました。そのソフトは女性の写真にしか機能せず、作者はその理由を、女性のヌード写真のほうがインターネット上で集めやすかったからだと説明しています。洗練された設計上の選択ではなく、材料の反映でした。
| 思われていること | 実際に起きていたこと |
|---|---|
| 服が透けて見える | 服の領域が捨てられ、モデルの推測で埋められます。元の写真は、その下にあるものについて何の情報も持っていません。 |
| 本人に似ている | 似ているのは変更されていない顔と髪と背景から来ます。置き換えられた部分は創作で、実行のたびに変わります。 |
| 誰の写真でも使える | 2019年の版は女性の写真にしか機能しませんでした。学習データがそうだったからです。 |
| 全部が自分のパソコンで動く | 2019年のソフトについては本当です。いまのサービスでは計算が他社のサーバーへ移り、ファイルも一緒に移動します。 |
最後の行が、この数年でいちばん大きく変わった点です。置き換わったモデルは1つのインストーラに収まる大きさを超えたので、いま使われているのはほぼ常に遠隔の画面です。誰のモデルが動いているのかは同じ棚に並んでいる別物で扱いました。
行き止まりの検索
「あのソフト」を探すと必ず同じ所に着く理由
探し方が雑だからではありません。プロジェクトが閉じた日から成り立っている、構造的な理由が4つあります。
基準になる版がない
生きているソフトには版番号と変更履歴、そして正式版が置かれる1つの住所があります。このプロジェクトは閉じた日に3つとも失い、後継を公開する権限を引き継いだ人もいません。
結果は単純です。「このファイルは正しいのか」という問いに答えはありません。答える資格のある人がいないからです。見つかる真正性の主張はすべて、何かをダウンロードさせたい側から出ています。同じ名前のドメインが何を指しているのかは同じ名前のドメインの整理にあります。
2つの複製は比べられない
停止後に広まった複製は誰にも整理されていません。再コンパイルされたもの、新しい導入用ファイルで包み直されたもの、別のプログラムに名前だけ貼ったもの。基準となるファイルがないので比較の値もなく、容量やウィンドウの見た目を突き合わせても何も証明できません。
これは体験談が食い違う理由の説明にもなります。「あのソフトを使った」と言う2人が、名前とアイコンがたまたま似ているだけの、まったく別のソフトを動かしていることがあります。
ファイル名は中身ではない
名前を書くのはアップロードした人で、中のプログラムではありません。この分類で名前が果たしている機能は検索の餌で、実際に果たしているのはそれだけです。
まだ意味のある確かめ方は、ファイルの大きさを約束と突き合わせることです。生成モデルは数ギガバイトを占めます。十数メガバイトのファイルにモデルは入っておらず、入っているのは画面とサーバーの住所です。この差は、何も実行する前に見えます。出回っているファイルの中身は野良APKのリスクにまとめました。
来歴は何も軽くしない
技術の出どころは法律の計算に入りません。評価されるのは行為です。ある人についての性的な素材を、本人の同意なく取得または作成し、それを広めたかどうか。ソフトの古さも、作者が誰かも、サーバーがどの国にあるかも、要件を変えません。
ですから「あのソフトが気になっただけ」は、実在の人の写真が関わった時点で安全な立ち位置ではなくなります。どの条文がどう働くのかは法律の側から見た場合に整理しました。
よくある質問
ソフトと名前について
根拠はの報道と、各サービスが自分で公開している文書です。
DeepNudeとは正確には何でしたか
WindowsとLinux向けのソフトで、写真の服の領域をモデルの推測に置き換えました。無償版は透かし入り、50ドル版はそれを画像の隅の「FAKE」の刻印に替えたものです。
なぜそんなに早く閉じたのですか
報道のあとアクセスがサーバーの能力を超え、同時に注目が集まりました。作者は悪用の可能性が高すぎると述べ、報道の翌日に販売を止めました。公開からは4日です。
いまはもう手に入らないのですか
正式な公開はありません。残っているのは整理されていない複製だけで、比べる相手もなく、その名前のファイルの多くはそのソフトの派生ですらありません。
一般のディープフェイクとは何が違いますか
同じ系統の技術です。ディープフェイクは画像や映像で顔を入れ替えるのが普通で、このソフトは静止画の服の領域を置き換えました。どちらも作り出しているのは創作された画素で、出来事の記録ではありません。
このサイトがそのソフトを配っているのですか
いいえ。ここにはファイルも、導入の手順も、処理される画像もありません。あるのは、何が出回っていて、外から何が確かめられるかの説明だけです。